多くの日本人はマンションを仮住まいととらえているようだ。独身の頃の独り住まいはアパートで、そして収入が増えてくるにつれて、賃貸の間取りが広くなり、やがて結婚。子どもが生まれ、マンションを購入する。いつかは一戸建てに住みたいと思いながら、自分の身幅に合わせた住居に住み替えていく。最終的な、双六で言えば上がりの一戸建てにしても、それが昔のように親子代々、住みふるしていくようには決してならないことをうすうす感じているのではないか。マンションは不動産だと言われている。しかし、この住み方を見れば気がつくように、決して不動産としては住んでいないのだ。ただの耐久消費財であり、一過性の仮住まいなのである。仮住まいだから、今はがまんして貧困な空間に住む。おかげでマンション、集合住宅に対する日本人の意識はきわめて低いものになってしまっている。マンションだったら、こんなものだろう、日本人はどこかでこう考えていないだろうか。「しょせんマンションだからしょうがない」と。どうも日本人はマンションについて最初からあきらめているところがあるような気がしてならない。マンションだから住み心地はよくない。マンションは一戸建てにかなわない。このへんが日本人の常識のようだ。
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