核家族の不安

2011.11.18

狭い住宅が核家族化を強制し老人を外へ放り出したために、若い母親は生活体験、育児体験の豊富な老人からその蓄積をうけつぐことができない。それをうめるために、育児書を読みあさる。しかし、多様で個別性の強い育児のようなことには、本の知識はそのまま当てはまらない。参考書どおりにいかず、あるいは異なった意見にふりまわされて、育児ノイローゼにおちいる。そして、ときには“育児に疲れての自殺、子殺し”という悲劇に結びついていく。

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専門家はいう。「新しく建った団地などは、おなじ年ごろの赤ちゃんがたくさんいる。隣り近所のおなじ月に生まれたあかちゃんが、みんな立ってあるきだしたのに、自分のところのあかちゃんが、まだ、つたいあるきもうまくできないというと、おかあさんはおちついていられない。……マイホームでひとりであかちゃんをそだてるとなると、あかちゃんには個性があることに気がつかず、かんたんに母親失格と思ってしまう。あかちゃんがその個性にあったようにそだっているのに、規格にあっていないといって心配し、不安になり、自信がなくなってくると、一種の恐慌状態になる。とても自分のような人間には、子どもはそだてられないと思ってしまう。こういうとき、ちょっとのきっかけでおかあさんは自殺したりする。」埼玉県大宮保健所長らが西上尾中層集団住宅団地九五二世帯の母親について行なった調査によると、妊娠中の注意や知識を何から得たかという質問に対し、いちばん多いのは育児書で六六・七%を占め、次いで病院・診療所、友人・隣人、親とこたえている。




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