環境変化が招くストレス

2011.11.18

国立精神衛生研究所所長が行なった在宅老人の調査によると、住居の状態とストレスはきわめて密接な関係があり、とくに環境条件の急変がストレスの発生に結びつく。たとえば、「近隣に急に家が建て混んだ」「家のまわりの空気が悪くなった」ビルが建ったために日当たりが悪くなった」などの環境変化がストレスとして強くあらわれてくる。ところが、同じ変化があっても、以前からその土地に住んでいるいわゆる地付きの人々は、家同士のつきあいがあるので、かなりの変化があっても支えあっていける。

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脱落するのは、外からの来住者である。同級生がいたり昔からの隣人がいるという場合は、一人暮らしになっても落ちこぼれないでがんばっていけるが、来住者で支えのない人は、たとえ持家でも老人ホームへ行ってしまうという。近年、団地居住者のノイローゼがふえている。転居してきたばかりのときにうまく適応できない主婦と老人にとくに多い。自分の住んでいる階から下の人は知っていても上は知らない。ヨコはつながりがない。かぎを閉めて中に入った切りだから、気の小さい奥さんだと一年たっても知人ができない。そういう状態の中にいると、だんだんノイローゼになって、被害者的な意識が出てくる。上の階の人に会ったけれども挨拶をしてくれなかった、自分のことを悪く思っているのではないか、などと思いこんでしまう。そのうちにまったく外へ出なくなってしまい、夫が帰るまで夕食の仕度もできないという状態も起こってくる。この現象は建売住宅の場合も同じで、近隣のつきあいが少ないから、困ったときに相談に行けるような支えがない。だんだんひっこみがちになっていく。また、遠いところに建った建売住宅に引越し、そこが周囲に商店街もない土地だった場合には、子どもの学校の心配、人との接触、ローンの心配、共働きの負担など、うつ的状態になりやすい条件が重なってくる。




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