最近では、全国各地で大型ショッピングセンター(SC)が次々とオープンしています。従来よりも一回りサイズが大きく、まるで一つの街のようです。そこに行けば、日常生活に必要なものはほとんど揃えられます。シネマコンプレックスでは多くの映画が上映され、選択肢も豊富です。家族連れで一日中、遊べる空間がつくられています。しかも、大きな駐車場が完備され、遠方からの買物客も呼び込んでいます。一方で、若者の「クルマ離れ」現象など、大型SCにも、最近では新しい悩みや問題も生じてきました。この流れが今後、一段と加速していけば、いまは隆盛をきわめる郊外の大型SCにも暗い影を落とすかもしれません。実際に新しい大型SCの出現と同時に、従来のSCが次々と閉鎖されています。立地の不便さや運営企裳の経営のつまずきなど、原因はさまざまでしょう。大型SCがあるという利便性を決め手の一つとして、その地城に住宅を購入した人もいます。ところが、大型SCの撤退が決まれば、生活は実に不便なものになります。その街の旧市街にある古い商店は、品ぞろえの少なさや、狭い駐車場といった原因で集客ができず閑散とした状態になってしまっています。商店街に活気を取り戻そうと、さまざまな試みや工夫をしても、なかなか計画した通りにはいかないうえ、大型SCの出現がさらに打撃を与えてしまっています。施設が少なくなった周辺の住宅は、利用価値が下がってしまうため、売却価格は急落します。資産のロスは大きなものになります。同様の事例は、ショッピングセンターに限りません。近年では地城の大型総合病院が閉鎖されることもあります。高齢化社会が進むなかで、病院の存在がその街の価値を左右します。病院がなくなれば人は街を去り、人口の減少に拍車がかかります。病院がなくなった街の土地や住宅は、買い手がいなくなり財産価値は失われてしまいます。このように、街のインフラともいうべき各種の施設やその機能が失われれば、住宅の資産ロスはますます、大きくなっていくのです。地域の経済的な活性度が不動産価格にストレートに反映されることから、今後、地域の行政手腕が問われることになります。住宅を購入する際の判断材料として、一つの施設の利便性だけに頼りすぎるのは危険です。この点からしても、地方や郊外と、複数の店舗を利用できる東京など大都市との不動産価格の格差はますます広がると認識しておきましょう。
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