高いビルを建てたいという人もある。二階建ての店を改築して高層化し、上をマンションにして老後に備えようと、近隣商業地域を商業地域に指定替えしてもらう署名運動に参加して、成功した。しかし、いざ建てようとしたら敷地が狭くて高層化はむりだ、といわれた。どうなっているのか。こんな相談も舞い込んでくる。立場の相違はあれ、本人たちにとっては、自分の住環境ばかりか、人生設計にまで影響をおよぼす深刻な問題だ。これほど重要な用途地域は、実際にどんなことを意味しているのか。
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その一例として私たちが近くに住み、日常的に観察している、世田谷区と目黒区の境界線付近を南北に走る自由通りの事例をみておきたい。目黒区自由通り一九八九年十月一日、東京都二十三区と都下二十一市の用途地域の変更が実施された。そのなかで目黒区の自由通り沿道約一五キロメートルにわたり、通りから東西それぞれ二十メートルが第一種住居専用地域から第二種住居専用地域に変更された。同じ住居専用地域といっても、一種と二種では雲泥の差がある。